コンビニ残酷物語

古巣にちょいと顔を出してきましたさ。
なんて言うか、落城寸前。すっかりお通夜。
タダヲたんも二年後の契約更新、早い話が店仕舞いまで
いかにマイナスを減らすか。
その事で頭が一杯のようです。
違約金(噂だと一千万とか二千万とか・・・)さえなかったら
さっさと辞めたい、と。

終ってるなぁ・・・

商売が上手く行かない理由は
時代の所為
立地の所為
本部の所為
商売敵の所為
とにかく外部に原因がある。
そんな事も。

そりゃ、要因としちゃそう言った部分も有るけど
自分の舵取りにも問題があったんじゃないかなぁ・・・

とはさすがに言えませんでしたけどね。
目の前で死なれても困るし。

でも店内見渡すと
あきらかに本部の言いなりになっていらんモノ揃えて
例えばオリジナルブランドのパン粉とかね。
誰がコンビニでパン粉なんか買うかっつうの。
それから宅配サービス関係の商品。
宅配の物、店で売ってどうすんだ。
今セブンの宅配サービスは、こう言ったチェーン店との取引がメインです。
そうじゃないと金掛けたのに不採算になっちゃうから。
ワタクシが居た頃から本部から
『取れ取れ』と号令があって、申し訳程度には取っていたんですが
今じゃ完全に売り場の一角を占めちゃってて。

キャベツの浅漬け事件以来
本部の言う事は話半分に聞かないと
廃棄計上がいくらあっても足りないよ
なんて話したんですけどね。

　
　
それに反して必要な物は全然ない
例えばその日、ワタクシは仕事中のお昼御飯を買いに行ったのですが
欲しい物が何も無いんですよね。
パンもおにぎりも品揃えが悪過ぎで。

かつて自分がやっていた酒の発注もエライ事になっていて
仮に取っても消費期限切れになる不人気商品は
徹底して排除してたんですが
そう言った困ったアイテムが見事に復活。
「コレ売れる?」『いや・・・』

じゃあ取るなよ。あほか。

冷蔵ケースにはエビスビールが8フェイスとかね。あほか。
いまいちピンと来ない人の為に説明すると
ジュースの販売機のあたたか〜いコーナーが
全部おしるこ、そんな感じ。

この窮状に対して、タダヲたんが打つ手と言うのが
人件費カット。

またかよ。

昼3人シフトを止めて、早朝三人にする。
昼シフト時給750×4時間を
朝シフト時給820×3時間に
更に昼以外の時間帯は全て時給アップ。

・・・意味が解らん。狂ってるのか?
貧スレバ鈍スルとは良く言ったもので。

当然、冷や飯食わされる昼の人たちからは猛反発。
今まで仕事丸投げにされて来て
この冷遇じゃ、当然でしょうけど。
従業員は機械の部品じゃないんだから・・・

身近な店員の気持ちが解らないのに
客の要求なんて解る訳ゃ無いよなぁ。

自分の古巣が確実に閉店に向かって進んでいるのは
何ともやりきれないものがあります。
かつては競合店をなぎ倒して
ブイブイ言わせてた店なんですけどねぇ・・・

　
　
とは言え
コンビニなんて何処も似たような状況なんでしょうね。
そこもかしこも集中出店で飽和状態。
たまさか儲かる立地があって、商売順調とこの世の春を謳歌してたら
同じチェーン店が容赦なく新店を掘っ立ててくる。
本部からすれば同じ商圏で
1店舗で一日1000万売るのと
2店舗で一日1000万売るのは一緒。
長い契約期間と違約金と言う足かせでオーナーからケツの毛まで毟る。
複数の店舗が同一地域で青息吐息で潰しあい
その果て、最後にリングに立っているのは明日の敗者。

コンビニ開業ってのは、ある意味独裁者に忠誠を誓う様なもんですな。

　
今晩もまた、あちらこちらで人件費を浮かせる為
オーナーさんが深夜のレジに立っています。

酔客のあしらいをしつつ
サラリーマン時代は、夜勤なんて無かったよなぁ・・・

なんて、ため息をつきながら。