年上ノ人ト駄目人間（終）

本日は最後に会う予定の日でございました。
公園でも行こうか、ドライブでもしながらか
と言った事前のプランは
『寒いから』
『体調悪いから』
の、ありがたい御言葉で全て駄目出しを喰らったのは
オレ達だけの秘密です。
　

　

コレで、最後かぁ・・・
そんな気持ちで家を出て。

なんと言いますか
気持ちが落ち着いたのか
テンションが以前と明らかに違うんですよね。

面倒とは思わないけれども
高揚感がないっつうか。
　
　

近所のレストランで待ち合わせをして
今まで通りに世間話をして
歳の話をしたり、店の人間関係の話をしたり。

いつもと一緒。
何も構える事はなくって。

少し、安心しましたさ。
ヘンに一線引かれて
『話す事ねぇEEEEE！！』
っつうのは洒落になりませんからね。

だからって訳でもないんですが
たった一つだけ、いつもと違うのは
初めてあの人の前で弱音を吐いた事、ですかね。

そんな愚痴や泣き言も
黙って、微笑んで聞いてくれて。

　
　
いつも彼女は追い詰められた状態だったから
自分は強くなくっちゃ
なんて思ってたんですけど
そんな必要って、なかったんですよね。

最後になって
色々気付かされるモンですね。全く。

それとも
最後、だからですかね。

　
　
　
ここまでフツーに話せて
何も気負った物もなくて
特別な気持ちも抱く事無く話せたんだから
やっぱり落ち着いたんだな・・・・
　
ただの友達。
それ以上でも以下でもない。

そんな現実も
自分で受け入れる事が出来たようです。

めでたし、めでたくもなし。
　
　
　

　
そんなタイミングで本日のメインイベント
プレゼントを渡しました。
ハイ、先日記した例の痛いアイテムです。

・・・沈黙。
　
うわ、やっぱりヒかれたか
どうすんべ？
返してもらって食べちまうか？

と思ったら
弾ける様な笑顔と、少しの涙。

　
　
おっしゃ。
ミッションコンプリート♪
心残りもないってスンポーです。

スンポーです。
スンポーなんだけどね。

　
　
　
そんな顔、すんなよぉ・・・
せっかく吹っ切れたと思ったのに。
少しだけ、心が揺れました。

手ェ出そうになりましたさ。
一瞬だけどね。
　
　
　
　
　

外はすっかり夕暮れ。
駐車場へ歩く間にまだまだダラダラ話し

　
　
風が身にしみるようになりましたね

『うん・・・』

雲はすっかり秋のソレですな

『うん・・・』

どしたのさ？

『今日の晩御飯は何にしようか？』

何でそう、いつもトートツなのさ！！

『だって、何も思い付かないし、面倒なのは嫌だし』

ったく・・・ウチはカレー

『あ、じゃあウチもカレー』

パクるな、せめてハヤシライスにしろ

『うん、じゃあハヤシ』
　
せめてボケろ！
　
　
　
なんてホントどーでも良い会話。　

いいね、このフツー感。
感傷も何もあったモンじゃない。
　
　　
　

あったモンじゃないはずなんだけど
　
　
　
・・・沈黙

『おまつり君・・・ありがとう』

だからその顔は止めろって！！

　
　
　
　
あっさり終ろうと思ったんだけどなぁ・・・

つい、そっと彼女の体を引き寄せてて。
ダメダメですね。

　
　
　
さようなら

『ううん・・・またね、だよ？』

あはは・・・なんか、いつまで経ってもかなわないね
またね。かぁ・・・

『うん、またね』

それじゃ、またね。
　
　　

　
手を振って、笑って、別れました。　
不肖おまつり、後腐れの無さが数少ない自慢です！！（笑）　
　
　
　
　

でもね、やっぱり
『さようなら』だよ。

今までありがとう。お元気で。