前向きに生きる為に

抑圧されて自分を殺す事に
すっかり慣れきってしまった自分の人生。

子供の頃からそうだった。
家ではいつも叱られてばかり。
「仕方が無い、自分が悪いんだから」
無条件でそう思っていた。

群れの中に入れば
物事の決定権は他人に委ね
多少、小馬鹿にされるような事が有っても
飲み込んで、なんでもないように振舞っていた。
「オマエはほんとにお人好しだな」
よく言われる言葉。

踵を返されるように
無視されて独りっきりになった時も
「何故だろう？」
と考える前に、自分なりに理由を考え
「仕方が無いね」
と、自分を納得させた。

初めて就職した時
上司は厳しい人だった。
小さなミスも見逃さず追及。
口答えは一切許されず。
時には不条理な理由で怒鳴り散らす事も。
一つの事に気が付いた。
「何があっても『はい』って言ってりゃいいんだ」
楽になった。

でも
付き合っていた人には
「目が死んでる」
と真顔で言われた。

こんな自分でも
好きになってくれた人や
気持ちを受け入れてくれた人はいた。
それでも、いつだって失う事を考えていた。
それが怖かった。
だから相手の望む事は無条件で受け入れた。
「仕方が無いね」って。
それしか自分には出来なかった。
例えそれが、恐れていた失う時でも。


誰の所為でもない。
それが自分の望んだ事。
求めた居心地の良い場所。

「仕方が無いね」